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続・ホールの物語

以前、この欄の「ホールの物語」で書いた、公営ホールの幹部職員の方から、久しぶりに手紙をいただきました。
地道な取り組みでホールの評判を高めた方で、今はもうリタイアされ、別の仕事をなさっています。
近況のほか、コンサートホールのマネジメントについて、地元の大学で講義した際のエピソード、それに音楽にまつわる思い出が記されていました。
もともと、クラシック好きな一家に育ち、小学生のころからSPレコードやLPを聴いて、レパートリーを広げていったこと。
6年生のときに校長先生の許可証を持って、北国から東京へ一人旅をし、シャルル・ミュンシュが指揮するボストン交響楽団のコンサートへ行ったこと。そのときのベルリオーズ「幻想交響曲」に心が震えたことが、今につながっていること。
天職とはこういうことを言うんだろうな、と思いました。
「聴衆と演奏家と音楽の距離を縮める努力が、名演につながる」そんな言葉に、一線を退いても変わらぬ情熱を感じました。
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author : cpbadm-f | - | -