トルコ行進曲

西欧の作曲家が描く「東洋」は、より神秘的であるように思います。
特にそれを感じるのは、モーツアルトの「トルコ行進曲」。
モーツアルトのピアノソナタの中では、スケールが大きいものの一つと言われます。
解説によれば、当時、流行していたトルコ調を取り入れ、特に左手はトルコの軍楽隊の打楽器の響きをイメージしているとのこと。
この曲の魅力は、アーティストによって、自由自在に演奏される点にあるように思います。ファジル・サイがジャズ化して弾いたことはよく知られていますが、アクセントの位置を変えたり、長いカデンツアが入ったり、演奏家の遊び心をとても感じる曲です。
ピアノソナタでありながら、4楽章ではなく、ソナタ形式はなく、3楽章構成なのもこの曲の特徴。モーツアルトの自由自在な魂が、演奏家に流れ入っているように感じると言えば、言い過ぎでしょうか。
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author : cpbadm-f | - | -