パッヘルベルのカノン

友人が映像と組み合わせたユニークな作品をYoutubeにUPしていたので、久しぶりに手持ちのCDでパッヘルベルのカノンを聞きました。
パッヘルベルのシャコンヌか何かをミニリサイタルで聞いたことがありますが、そんなに一般に知られているとはいえず、カノンがパッヘルベルの残した唯一と言っていい著名な曲ではないかと思います。
友人の試みもそうですが、もっともいろいろな形でアレンジされている曲のひとつです。
CMや劇中化、ポピュラーミュージックの挿入歌などさまざま。
クラシック音楽の中には、こうした編曲を嫌う曲、というか、作曲者が意図したであろう演奏形態以外は冒涜のように感じられるのもありますが、この曲は自由自在であるように思います。
それも明快で単純な構成がなせる技なのでしょうが、時を経てこれだけの形で表現される曲というのは、凄いです。
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ジョンケージ

ジョンケージについてブログの短文で書くのは、あまりにも無謀だと思いつつ見送っていました。
曲の演奏時間である4分33秒の間、まったく演奏者が楽器を弾かない「4分33秒」。コンサートホールの権威への挑戦、ホール内外の音に注意を向けさせるものなどと言われています。
前衛芸術全般、そんなに得意な方ではないのですが、ジョンケージの世界に東洋の文化はしっくりくると、解説文を読む前のファーストインプレッションがそうでした。
そんなケージの世界を表現する恰好の舞台が先月ありました。
アルディッティ弦楽四重奏団の「ケージの中の日本」です。
狂言師の野村萬斎との共演が大きな話題になりました。
よく西洋と東洋の文化が融合、という言い方をされますが、もともとケージの世界には日本の「静」や「無」に重なるものがあると思います。
ケージの生誕100年である今年は、あらためて作品を見つめ直したいと思っています。
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longing/love

今朝の一曲はジョージ・ウィンストン「AUTUMN」より「longing/love」です。
日本ではCMやテレビ番組などに使われ、ニューエイジピアノソロ曲の中で、もっとも知られている一曲です。
いくつの時だったかはっきり記憶がありませんが、中学生か高校生のとき、自分でチケットを買ってジョージウィンストンのコンサートに行ったことがあります。
素晴らしかったー。
それがスタイルであるラフな格好で、ギターを1本持ってステージに登場した瞬間を、今も覚えています。
当時、この曲に込められたジョージの思いをもっともっと言葉で知りたいと思いましたが、育ったモンタナの四季をテーマとした、ということしかわかりませんでした。
聞いていると、いつも大自然の中に抱かれているような気持ちになります。「longing/love」に憂いや葛藤とともにくっきりとした強さを感じるのは、そのせいかもしれません。
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コルトナの朝

少し前に友人がフェイスブックで紹介してくれていた辻井伸行の自作・演奏曲「コルトナの朝」を聞きました。
辻井さん自身がイタリア・コルトナを訪れたときに着想して書いた曲だと言います。
鳥たちのさえずり、木々のざわめき、そういった爽やかさや癒しだけでなく、万物が生き生きと立ち上がるような朝の力強さを感じさせる曲で、何度も聞きました。
辻井さんは知られている通り、生まれながら目の不自由な方ですが、お母さんは彼が子供のころ、美術館へ連れて行って、絵の解説をひとつひとつ丁寧にしてくれた、というエピソードを読んだことがあります。
そういった経験もすべて今の表現につながっているのかもしれない、とふと思いました。
心澄み切る「コルトナの朝」。行ったこともないイタリアの田舎町が浮かんでくるようでした。
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