愛の挨拶

音楽関係の知人から過去のコンサートのプログラムが送られてきました。
プログラムに載っている曲の解説文は彼の手によるものだそうです。
その中にエルガーについての文章がありました。
エルガーといえば、行進曲「威風堂々」が有名で、私自身も小中学校のときに、好きでよく聞きました。
ただエルガーの人となりについての知識はありませんでした。
送ってもらった文章によれば、エルガーは紳士で愛妻家。
妻のアリスの「信頼と献身によって」支えられ、彼女の死後の創作活動ははかばかしくなかったそうです。
有名な「愛の挨拶」も結婚生活の中で作られた曲。
そう聞くと、心弾む明るい旋律に生き生きとした二人の生活が思い浮かびます。
作曲者の生涯と曲を重ね合わせると、また音楽の味わいが増します。
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続・ホールの物語

以前、この欄の「ホールの物語」で書いた、公営ホールの幹部職員の方から、久しぶりに手紙をいただきました。
地道な取り組みでホールの評判を高めた方で、今はもうリタイアされ、別の仕事をなさっています。
近況のほか、コンサートホールのマネジメントについて、地元の大学で講義した際のエピソード、それに音楽にまつわる思い出が記されていました。
もともと、クラシック好きな一家に育ち、小学生のころからSPレコードやLPを聴いて、レパートリーを広げていったこと。
6年生のときに校長先生の許可証を持って、北国から東京へ一人旅をし、シャルル・ミュンシュが指揮するボストン交響楽団のコンサートへ行ったこと。そのときのベルリオーズ「幻想交響曲」に心が震えたことが、今につながっていること。
天職とはこういうことを言うんだろうな、と思いました。
「聴衆と演奏家と音楽の距離を縮める努力が、名演につながる」そんな言葉に、一線を退いても変わらぬ情熱を感じました。
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