「蘭ing」

バイオリニストの松本蘭が一昨年にリリースしたファーストアルバム「蘭ing」を聞きました。
09年にミス日本着物賞を受賞し、ビジュアル系のイメージが強くなりましたが、「高嶋ちさ子12人のバイオリニスト」のころから存在感がありました。
「亜麻色の髪の乙女」や「ユーモレスク」など親しみやすい曲が多い「蘭ing」ですが、その中でヴュータン「アメリカの思い出」が目を引きました。
有名な「ヤンキードゥードゥル」(アルプス一万尺)のメロディーを元にしたユーモアあふれる曲です。
このCDにはほかにリムスキーコルサコフの「シェラザード」のアレンジもあり、選曲にこだわりを感じました。
きらめく才能があってこそ聴く人を楽しませることができる自由な遊び心。
ミス日本に出てみたり、さまざまな分野のアーティストと共演する彼女の姿と何となく重なります。
一方でヤンキードゥードゥルやほかに収録されている「ルーマニア民族舞曲」、それに「着物」。現代的な容姿の彼女と、古きよきもの、懐かしきもののコントラストもまた、魅力に感じます。
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イムジチ

もう結成60年と聞いて驚きました。
片田舎の中学生だったとき、地方公演のポスターを見たのがイムジチを知った最初です。
イムジチ=ヴィヴァルディ「四季」として、クラシックファン以外にも広く知られているのではないでしょうか。
今年は日本でもアニバーサリーツアーが予定されています。
結成メンバーが全員退団した今、何が「イムジチ」なのか、突き詰めて考えるとよくわかりません。
もっと幅広いバロック音楽に挑戦してほしいーといった旨の辛口の批判の声もあり、頷けるところもあります。
しかし、メンバーが変わり、解釈に変化があっても、イムジチの「四季」にはある種の懐かしさがあります。
確かに受け継がれているものがあるーその歴史の重みが、「イムジチ」たるゆえんなのかもしれません。
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