ショパン 練習曲第3番「別れの曲」

気恥しいほど日本ではポピュラーですが、「別れの曲」。
「革命」や「幻想即興曲」など派手でテクニック重視の曲も好きですが、ショパンの中ではこちらの方がしっくりきます。
よく知られていることですが、「別れの曲」のタイトルは原題ではなく、日本で放映された同名のドイツ映画に由来するもの。心なしか邦画やドラマの別れのシーンでよく聴く気もしますが、関係ないというわけです。
本来はショパンが故国ポーランドに対する愛を込めた曲、と言われます。
ところで下世話な言い方ですが、メジャーである分、上手下手もわかりやすい曲。遅いカンタービレがこなれない弾き手も、何度か目にしました。
物悲しい旋律に、欧州の街のイメージを重ねて聴きます。
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ヴィヴァルディ 調和の霊感 第2番

中学時代にチェロを始めて、最初に演奏した「本格的な」曲がこれでした。
「調和の幻想」とも訳されますが、好んで「調和の霊感」と呼びたいと思います。
ヴィヴァルディといえば、「四季」が有名ですが、個人的にはこの曲が一番好きです。「四季」には、王道中の王道を歩いてるようなメジャーさ、華やかさ、誤解を恐れずに言えば能天気な感じすら抱くのですが、「調和の霊感」はもっと神聖なイメージがあります。
かといって難解でもなく、緩急が入れ替わり展開するスタイルは聴きやすく‐好きな曲のひとつです。
調和の霊感―そのタイトルには‐訳し方の問題はあるにせよ‐、司祭であったヴィヴァルディが、大いなる存在から何かを感じ取って曲を作り上げる、という意識を持っていたのかもしれないと思います。ちょっと勝手な想像がすぎるでしょうか。
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アストラッド・ジルベルト「おいしい水」

20代の終わりのころ、結婚退社する先輩が「自分があなたくらいの年に聴いていたCD」と言ってプレゼントしてくれたのが、アストラッド・ジルベルト「おいしい水」でした。
アストラッドといえば「イパネマの娘」、スタン・ゲッツとの共演、というぐらいしか知りませんでしたが、ある意味メジャーな「イパネマ」より、彼女の魅力が伝わる1枚のような気がします。
アストラッドは、正式な音楽の訓練をほとんど受けていないと言われます。それゆえかもしれませんが、この人の歌い方は決まり切った型にはまらず、聴衆に対する「媚」のなさは、そっけなささえ感じます。それは私がそれまで勝手に抱いていたボサノヴァのイメージを塗り替えるものでした。
アストラッドの痛々しささえ感じる歌声は、抒情的になりすぎず、「邪魔にならない」けれどもくせになるーという類に思えます。個人的にはカフェやクラブで飲み物を片手にいつまでも聴いていたいーそんな曲です。
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バッハ カンタータ147番

 有名な「主よ人の望みの喜びよ」を含むバッハカンタータ147番「心と行いと生活では」を聴いています。
 「心と口と行いと生き方そのものが、キリストが救世主である証とならねばならないー」
 初演されたのは処女懐胎を知らされたマリアがエリザベトを訪ねる祝日の「マリア訪問日」であり、曲もマリアとそのマニフィカトが中心となっています。
 その中で「主よ人の望みの喜びよ」は、いろいろな形態で演奏されているものの、パイプオルガンの曲として、多くの日本人が思い浮かべる楽曲ではないでしょうか。
 笑ってしまうような話ですが、以前にいわゆる「酒とバラの日々」を楽しんでいた友人が、観光で行った海外の教会でこの曲が流れているのを聴き、すっぱり放埓な男女関係を断ち切って生き方を変えたことがありました。
 この曲はキリスト教に対する知識不足と、日本語訳の難しさもあって、いまだになかなか明瞭に理解、解釈できません。しかし宗教音楽には、どこか、人間の善性に訴えるものあるのではないかと思います。
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ダマーズ

フルート関係の調べ物をしていたら、無性に聴きたくなったのがダマーズ「フルートとピアノのための変奏曲」。
ダマーズといえば、母親がハーピストであったこともあり、ハープの曲がよく知られています・・というかハープやフルート演奏者以外にはあまり名を知られていないという側面もあり、再評価の待たれる作曲家です。
ダマーズの曲を聴くと、思い浮かぶのは、なぜか数学でいう「展開」。項と項が結び付き、どんどん開いていくあれです。
多彩な音が五線譜からこぼれおち、噴水のようにあふれる瀟洒な作風は、春風を思わせます。
このCDの奏者は京都市交響楽団首席奏者の清水信貴氏。ソフトな雰囲気、抒情的になりすぎない軽やかなテクニックが、心なしかダマーズの作風にぴったり合っているように感じます。
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白鳥

サンサーンス・白鳥を聞いています。
大好きな曲のひとつです。
中学時代に弦楽部で楽器を選ぶとき、迷わずチェロにしました。
華やかに映るのかバイオリンに人気が集まっていましたが、バイオリンの旋律を引きたてるのはチェロの低音あってこそ、という存在感が好きでした。
その時から「白鳥」はあこがれでした。3年生のとき、コンサートの楽器紹介のコーナーで、2フレーズばかりですが演奏する機会を得たときは、本当にうれしかったです。
優雅な「白鳥」。チェロの魅力が存分に感じられる曲です。
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ゲネプロ公開

最近、コンサートや舞台のゲネプロを一般に無料で公開する動きが広がっているーというニュースを聞きました。
名のあるバレエ団や合唱団が本番さながらに行う全体リハーサルを無料で見聞きできるとあって、学生らにも好評だといいます。
その話を聞いて、立見席のチケットが格安で買える欧州のオペラ劇場を思い出しました。椅子席には手の届かない若者らも足を運び、耳を肥やすーそんなイメージと重なりました。
気軽に足を運ぶ人が増え、聴衆のすそ野が広がれば、それが文化の水準を上げることにもつながります。
あこがれの思いでゲネプロ公開に足を運ぶ若者の中から、未来の一流アーティストが生まれたらーそんな想像も楽しくなります。
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1000人のチェロコンサート

立ち寄った楽器店で「1000人のチェロコンサート」のチラシを見つけました。
1998年に神戸で震災復興への思いを込めて第一回が開かれたコンサート。1000人超が出演し、ギネスブックにも載っています。
ニュースを聞く度に、一度は参加してみたい、と思いながら今に至っています。
4回目の今年は5月16日、広島での開催。三枝成彰が書き下ろした広島へのレクイエムも演奏されるそうです。
平和、というと、もはや気恥しいくらいに、日本では当たり前ですが、平和であるからこそ、音楽を奏でる自由があるのだと思うと、やはり幸せな思いが湧きます。
4回以上の参加が義務付けられている公式練習会場は、全国6か所。いつか新潟も公式練習会場に加わらないかなーと期待を込めて思いました。
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今日の一枚

何年かぶりにCDラックから取り出したのは、江差追分の歌い手、木村香澄さんのCD「香澄(KAZUMI)」です。
若手の実力派で、海外での演奏経験もある方ですが、このCDはソーラン節をテンポよく編曲した「ソーランビート」など正調江差追分にとどまらない魅力を伝える一枚。歌詞にも時折、遊び心がのぞきます。
何度か北海道江差町での江差追分全国大会を聞いたことがありますが、江差追分は不思議な魅力のある民謡。
全国大会は、3日間同じ江差追分を参加者が次々に歌い続け、優劣を競うものですが、なぜか飽きさせません。
また、先細りが懸念はされるものの、若い歌い手も育っていることを考えると、しっかりと根付いた文化だといえます。
朝一番から聞くには、少々食傷気味に感じることもある民謡ですが、北前の船頭たちが行き交った往時を思いながら、聞く時間が好きです。
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ラ・フォル・ジュルネ2

4月30-5月1日に開かれるラ・フォル・ジュルネ新潟では、各会場にショパンとバッハゆかりの人にちなんだサブネームがつくことになっています。
例えばりゅーとぴあコンサートホールは、ショパンの友人で兄弟弟子でもあり、写譜者・出版者でもあったフォンタナ。
りゅーとぴあ劇場はドラクロア。偉大なロマン主義の画家であり、ショパンの親友でもあります。
音楽文化会館は女流作家であり、ショパンの恋人でもあったジョルジュサンド・・・といった具合です。
昔日の作曲家たちが持っていた意外ともいえる交友関係をたどると、演奏にまた膨らみが感じられる気がします。例えていうなら、世界史を学ぶとき、各国史ばかり勉強しているより、同時代の他国史を並行して学ぶ方が、それらの関連性、あるいはシンクロニシティともいえる面白さがあるのと似ているでしょうか。
サンドの小説、ドラクロアの絵画。ショパン年だからこそ、こうした「ヨコのつながり」も一緒に楽しんでみたいと思います。
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